スミレ

今日から帰省するので、同居中の植物たちにたっぷりと底面灌水。



(上からの水やりよりも、植木鉢を水を張ったバットやボウルに入れて、時間をかけて下から吸わせるほうが確実に水やりできます。)



写真はパチュリと頂き物のスミレ。


スミレの一番好きな部分は、萼の下からぴょこんと出ている距(キョ)。




まず見た目が好き。

そして、この距の中には蜜が詰まっているのだけど、距はこんな風に長い形なので、それを吸えるのは特定の虫だけなのです。


誰にでも蜜が吸えるようじゃ、虫はスミレの蜜を吸ったあとに別の種類の花のところに行ってしまうので、スミレの蜜を吸う特定の虫だけに来てもらい、その後もまた違うスミレのところに行くことで受粉を助けてもらう狙いが、スミレにはあるのです。


なので、この距の姿は、スミレが生きていくために時間をかけて獲得した形。

(その下についている小さな葉 ほうようも好きです。)



そして、スミレの花びらは5枚なのだけど、一番下の花びらに模様がついているものが多いです。


これは、一番下の花びらの奥に雄しべと雌しべがあるので、虫にここを目掛けて飛んできてほしいから。


虫に対する目印です。


そして、スミレは種をつけてからも虫と仲良く生きていく植物。


スミレの種のまわりには蟻が好む味がついており、これを目当てに蟻が種を巣に運びます。


蟻は種自体は食べないので、スミレは蟻に種を運んでもらって発芽することができます。


スミレの素晴らしさについてついつい語りますが、園芸的には花を育てるときには、花柄をこまめに摘み取ることが常識です。


ですが、すみれの花が枯れて種になっていく様も美しく、いつも花柄を詰むことができません(笑)