「紫色」の語源になった薬草 ムラサキ

(写真は西洋ムラサキの花)


ムラサキは古事記万葉集にも登場する、日本に古来からある薬草です。



その栽培は奈良時代にまでさかのぼり、その有用性から長い栽培の歴史の中で江戸時代には国によって栽培が奨励されました。



ムラサキの根は生薬名を「紫根」といいます。



古くから染料としても使われ、昔はこのムラサキの根で染めた「紫色」の服は、最高の身分を表しました。



ここ日本では今は細々と行われている草木染ですが、昔の人は色が美しいからというだけではなく、薬草の薬効をからだの表面から取り入れるために(そして多分植物のエネルギーを纏うために)草木で染めた服を身に纏っていました。



今でも薬を「服用」するという言葉が残っているのはそのためです。



草木染には数多くの薬草が使われますが、例えば浄血、解熱、強壮、通経(月経のリズムを自然のリズムに戻す)作用のあるアカネで染めた布で赤ちゃんの産着や女性の腰巻を作ったのは、アカネのそんな薬効を期待してのことでした。



ムラサキの根、紫根は火傷、凍傷、腫れ物、痔などの皮膚疾患全般、そして解熱解毒の作用があると言われています。



歌舞伎に出てくる、病人であることを示す紫色の鉢巻、「病鉢巻」をご存知ですか?

(写真はWikipediaより)



これは、病人が解熱や解毒の作用のある紫根の薬効にあやかろうと、紫根で染めた鉢巻を頭に巻いているのです。そして、紫根で染めた高貴な色、紫色には悪いものを寄せ付けない効果があると昔の人は信じていました。



素晴らしい薬草ムラサキですが、明治時代以降は化学染料や化学薬品の登場により徐々に需要がなくなり、現在は日本では絶滅危惧種に指定されています。(市場に出回っているものは日本の物ではなく、西洋ムラサキです。)



そんな紫根は今コスメ業界で注目されているようです。


シミくすみを防ぎ、しわたるみに有効とされ、アンチエイジング用コスメの原料にもなっているそうです。


そんな紫根を使った軟膏、紫雲膏を作るワークショップ3/3(土)の開催です。(紫根は漢方薬局さんのものを使います)


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Kigi

薬草専門家   植物の声を聞く人 八ヶ岳南麓にて季節の薬草観察会、薬草を使ったコスメやお手当の講座などを開催しております。 足元の植物に感謝と敬意をもって共に生きる暮らしをご提案しております。 出張講座のご依頼、ご質問などお気軽にお問合せください。 代表 波多野ゆふ 08kigi@gmail.com